現在の日本に存在する芸能を新しいカタチでお届けする公演のオンライン配信です。
伝統、郷土、剱伎、舞、演奏と、現代に受け継がれる芸能の融合による新しい伝説の物語です。
一つの物語をそれぞれの特質を以て紡いでいきます。
伝説となっている、義経・弁慶・八百比丘尼をモチーフにあらたな物語として描いております。
サムライアーティスト「剱伎衆かむゐ」が剱と共に伝説を駆け巡り、「小島千絵子」(鼓童名誉団員)が幾百年の時を舞います。
天(あめ)の理を「大藏基誠」(能楽師狂言方)が語り、地(つち)を「加藤木朗」(舞台芸能師)が祓います。
また今回は特別に、若き狂言方の「大藏康誠」が修行僧として出演いたします。
大川荘・浮き舞台を、太鼓・笛・Guitar・Celloが包む、音楽絵巻をお楽しみください。
上演時間は、70分を予定しております。また、1/10まで、アーカイブ配信として繰り返しご視聴できます。
<出演>
義経:佐藤 有(剱伎衆かむゐ)/弁慶:島口哲朗(剱伎衆かむゐ)/八百姫:小島千絵子
天之水分神:大藏基誠/ 天迦久神:加藤木 朗 /修行僧:大藏康誠
追手:松村裕美・松山征司・大竹真由子・小川和伸・嶋田美由紀(以上、剱伎衆かむゐ)
<音楽>和太鼓:響道宴/篠笛・能管:武田朋子/Guitar:ミヤケリョウ/Cello:清川水鳥
<脚本・演出>芹澤瑩乃 <企画>リズミックキーブ <協力>会津芦ノ牧温泉大川荘
あらすじ
天与の水を分け与える天之水分神(あめのみくまりのかみ)と、地を祓い浄めている天迦久神(あめのかくのかみ)。
その天地(あめつち)の間で人は生かされている。諸行無常の理の中、かつて、水分神は、別者に姿を変えて幼少の義経を鍛錬していた。
今、水分神は、奇縁となる義経・弁慶・八百姫の人生を見つめている。
ある時、行く人を襲い太刀を奪っている弁慶に出会い、挑まれ、返り討ちにする義経。降参した弁慶は、それ以降、どこまでも義経に付き従う。
時を同じくして、人魚の肉を食べたために、不老不死となってしまった女が遊行しており、その女の肉を食べると同じように不老不死になると噂され、不埒な者たちに追われていた。
弁慶がその女「八百姫」を助け、お互いの境遇に共感しあい惹かれていくが、義経が裏切りにあい、義経と共に奥州に旅立つことになった。
一緒に行くことを許されなかった八百姫は、弁慶と共に生きていきたいと、出発前に自分の肉の一部を差し出す。不老不死になる肉である。
弁慶は、何も言わず受取り、奥州へ。残された八百姫は孤独を悲しむも、再会への一縷の望みを持っていた。
奥州へ入ろうとして、弁慶の殺気に、鎮まった地が荒られることを憂慮した天迦久神(あめのかくのかみ)は、通行を拒む。
義経たちは、信義と敬意を伝え、通行を許されるも、すでに追手は迫っていた。
義経を逃がすため、追手に立ちはだかる弁慶。
弁慶の立往生を知った八百姫は、愛別離苦を嘆き、残りの数百年という人生を比丘尼となって、諸国をめぐり人を助けて生きようと誓う。
旅の途中、道の上で「義経」とすれ違ったような気がする八百比丘尼。
もし、義経があの肉を持っていたとしたら・・・・。